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【ブログ更新】筋トレしても筋肉つかない理由と効果的な対策法(前編)

筋トレしても筋肉つかない理由と効果的な対策法(前編)

筋トレをしていても、なかなか筋肉がつかないと感じる方もいると思います。
筋肉がつかない原因は様々考えられます。
適切な対策を知ることで、効果的な筋トレを行うことができます。
筋肉がつかない理由と、効果的な対策法について詳しく解説します。

ブログ筋トレ

筋肉がつくメカニズム

筋肉は、数百から数百万本の筋繊維が束になって構成されています。
1本1本の筋繊維が太くなり、筋肉が太くなる(大きくなる)ことを筋肥大と言います。
ちなみに、筋繊維は肥大して太くなるものの、その数が増える(筋繊維の増殖)は起きないと(現状)言われています。(※鳥類を対象にした研究では筋繊維の増殖は確認されています。)

筋肥大のメカニズムはとても複雑で、まだ分かっていない事もあります。
現状では、筋肥大は以下の3つが主要なメカニズムだと言われています。

  • 機械的張力(筋力トレーニングのような、筋肉に張力を発揮させる一定強度の負荷ストレス)
  • 代謝ストレス(乳酸の蓄積や水素イオン濃度上昇により筋肉の酸塩基平衡に不均衡が生じた(ph低下した)状態)
  • 筋損傷(いわゆる筋肉痛が起こるような軽度の筋損傷や筋断裂を伴うような重度の筋損傷)

この3つの中でも、一番重要と言われている「機械的張力」による筋肥大のメカニズムについて以下に解説します。

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筋肥大のメカニズム(機械的張力)

機械的張力は、筋肥大に一番重要とされています。
特に、最大張力(発揮している筋力の大きさ)が一番重要で、次に張力発揮時間が重要だと言われています。

筋肥大において一番重要な働きをしていると言われているのが、「mTOR」というタンパクキナーゼ(タンパク質をリン酸化する酵素)です。

この「mTOR」は筋肉の細胞内の「リソソーム」という細胞に連結していて、以下の2つによって活性化されます。

1)ホスファチジン酸という脂質分子
2)Rhebという分子

筋力トレーニングなどによる機械的張力が筋肉に加わると、筋肉の細胞膜上にある「機械受容器」というセンサーのような組織が活性化されて、ホスファチジン酸の合成を促進します。

一方でRhebという分子は、筋肉が活動していない状態では「TSC2」という分子によってその働きが抑制されています。

ですが筋力トレーニングなどによって機械的張力が加わると、「TSC2」の働きを抑制する「Erk」という酵素が活性化されます。そしてこの「Erk」が「TSC2」をリン酸化して働きを阻害するため、「TSC2」による「Rheb」の抑制が解除されて、「mTOR」が活性化できる状態になります。

ちょっと複雑ですが、
このように筋力トレーニングなどによって筋肉の細胞膜に一定強度の張力が加わることで、
「ホスファチジン酸」と「Rheb」が活性化されて、それにより「mTOR」が活性化されます。

さらに、活性化された「mTOR」は「p70S6キナーゼ」という酵素をリン酸化させて筋肉のタンパク質合成を高めたり、逆にタンパク質分解を抑制するように働くとされています。

この「mTOR」の活性化と「p70S6キナーゼ」のリン酸化は、張力発揮時間(筋トレで言えばセット数などの負荷の量)よりも、最大張力の方が重要ではないかと今のところ言われています。

そして、アミノ酸の一種である「ロイシン」と、糖質を摂取したときに膵臓から分泌される「インスリン」が、「mTOR」を活性化させると言われています。

以上のメカニズムが、筋肥大の主要なメカニズムではないかと、今のところ言われていますが、その他にも、筋肉のタンパク質合成を高める経路が様々発見されています。

いまだ分かっていない事も多く、いまもなお研究が進められています。

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筋肥大に必要な栄養

前項で解説したとおり、筋肉のタンパク質合成を高めるために、ロイシンというタンパク質と糖質を十分量摂取することは非常に重要です。

筋肥大のためには、栄養管理に関して以下が需要なポイントです。

  • 正のカロリーバランス
  • タンパク質(特にロイシン)
  • 糖質
正のエネルギーバランス

消費エネルギーよりも摂取エネルギーの方が上回った状態を「正のエネルギーバランス」と言います。
筋肥大を起こすためには、正のエネルギーバランスが必要です。

十分な筋肉量増加を起こすためには、1日あたり500~1,000kcalの正のエネルギーバランスが必要だとする研究もあります。

ただし、この値には個人差が大きく、場合によっては余剰のエネルギーが体脂肪になる可能性もあります。
トレーニング初心者よりも上級者の方が、筋肥大に必要な正のエネルギーバランスは少なくなるようで、体脂肪率増加を最小限に抑えたい場合には、1日あたり200~300kcalの正のエネルギーバランスが適切だとする研究もあります。

タンパク質

一般的なタンパク質の必要量は、体重1㎏あたり0.8gです(体重70㎏の人であれば56g)。
ですが、トレーニングにより筋肥大を促すには、これよりも必要量が増えます。

筋肥大のために適切なタンパク質量は個人差もあり、諸説がありますが、体重1㎏あたり1.5g程度と考えていただいて良いと思います。
ただし、多ければ多い方が良いという事はなく、2.2g以上のタンパク質を摂取しても除脂肪量(筋肉量)の増加にはつながらないという報告もあります。
ですので、1.6g~2.2gが適切量だと考えられます。

また、必須アミノ酸の一つであるロイシンの摂取は非常に重要です。
高齢者を対象にした研究(※高齢者の方が若年者よりもロイシンの必要量は高いと言われています。)では、
1.7gのロイシンを含む必須アミノ酸6.7g摂取したグループと、2.8gのロイシンを含む必須アミノ酸6.7g摂取したグループとを比較した結果、前者ではタンパク質合成が促進されなかったのに対して、後者はタンパク質合成が促進されたという報告があります。

筋肥大の為には、2g以上のロイシンを含む必須アミノ酸の摂取が必要だと考えられます。

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糖質

糖質が筋肉のタンパク質合成に重要であることは、「筋肥大のメカニズム」の項で解説したとおりです。

筋肥大を最大化するための炭水化物摂取量については諸説あり、決定的な数値を示すのは難しいのですが、ボディービルダーを含む筋力系アスリートに対しては、体重1㎏あたり4~7gが推奨されています。

ただしこの数値は、筋力トレーニング以外の他のトレーニングなどの活動量も考慮して、筋肉の中の糖質(グリコーゲン)量を十分に保つための量と考えられています。

ですので、筋肥大のためには、最低3g以上の摂取量を保てていれば十分ではないか、という報告もあります。

いずれにしても、先ずは「正のエネルギーバランス」を保てるエネルギー摂取量を考えましょう。
そして次に、いわゆる「PFCバランス」(P:タンパク質、F:脂質、C:炭水化物)の理想的な比率(P:F:C=15~20%:15~20%:60~65%)を保ちつつ、自分に必要な炭水化物量を管理していくことが大切です。

また、時々議論の的になる「低炭水化物食」について触れておきたいと思います。

低炭水化物食は、総エネルギー量(カロリー)に対する炭水化物摂取量の比率によって、その効果や捉え方が変わってきますが、超低炭水化物食とも言える「ケトン食(炭水化物の摂取量が1日50g未満)」について解説します。

「ケトン食」を用いた多くの研究では、短期間(およそ1カ月~3か月間)のケトン食摂取では、無酸素性パフォーマンス(最大筋力や最大パワーなど)に悪影響はなかったとする報告が多いようです。
これは、ケトン食が炭水化物の摂取量を減らす代わりに、タンパク質摂取量が非常に大きかったこと(※ケトン食は実際にはタンパク質ではなく脂質の摂取量を増やす食事法です。)によって、筋肉量がある程度維持されたためと考えられています。

ですが一方で、筋肥大(筋肉量増加)の効果においては、ケトン食より通常の炭水化物摂取量の食事の方が筋肉量の増加量が大きかったとする報告が多いようです。

「筋肥大のメカニズム」の項で前述したとおり、糖質を摂取することでインスリンが分泌され、それが「mTOR」を活性化してタンパク質合成を促進するため、ケトン食のような低炭水化物食は、筋肥大を促進するシグナルが減少すると考えられます。

また、ケトン食ではグリコーゲン(筋肉の糖質)貯蔵量が急激に低下します。
グリコーゲン量の低下は、AMPKというタンパクキナーゼ(タンパク質をリン酸化する酵素)を活性化させます。AMPKは「筋管」という筋繊維のもとになる組織の萎縮を促進したり筋肉のタンパク質合成を抑制したり、逆にタンパク分解を促進する働きがあります。

そういった点からも、ケトン食は筋肥大には最善ではないと考えれえます。

続きは後編で・・・

こちらのブログ記事の続きは、次回(8月24日頃予定)の後編にて解説します。
後編では、以下の内容について解説します。

1.筋肉がつかない原因
2.筋肉をつけるための実践的な解決方法
3.筋トレの効果を高めるコツ

(※記事の項目は若干変更させていただく場合があります。)

ぜひ後編もご一読ください!

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