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【ブログ更新】筋力トレーニングと持久性トレーニングを両立させるには
健康運動指導士で
NSCA・CSCS
FMS Level1.2 Certified
片平和誠です
筋力トレーニングと
持久性トレーニングを同時に行うことを
コンカレントトレーニング
と言います
スポーツをされる方であれば、
筋力トレーニングと持久性トレーニングを
日々実施している選手も多いと思います
ではコンカレントトレーニングは、
弊害はないのでしょうか?
少し古いですが、
1980年に以下のような研究発表がされました
「筋力トレーニングと
持久性トレーニングを組み合わせた
10週間のトレーニングプログラム
を実施したグループは、
筋力トレーニングのみ
を実施したグループに比べて
筋力の増加が少なかった」
その後1990年に、
「コンカレントトレーニングの有効性は、
トレーニングの頻度や強度、量など
様々な要因によって、
また二つのトレーニングを
どのように組み合わせるかによって
変わる可能性がある」
という研究発表もされています
そして2012年には、
「コンカレントトレーニングが
筋力向上を阻害するかどうかは、
持久性トレーニングの時間と
頻度に依存している」
と明らかにしています
筋力トレーニングの効果を
「筋肥大(筋肉を太くすること)」に限って言えば、
化学的に明らかな根拠があります
持久性トレーニングは、
AMPKという酵素を活性化させます
さらにこのAMPKは、
TSC2と言う分子を活性化します
一方で、
筋力トレーニングによって
筋肥大が活性化される過程の中で、
「mTORのリン酸化」
という重要な過程があります
このmTORのリン酸化は
いくつかの経路によって活性化されるのですが、
その一つにRhebと言う分子の活性化があります
実は、
TSC2という分子は
このRhebという分子を抑制します
つまり、
持久性トレーニングによって、
筋肥大に必要な
mTORのリン酸化
が抑制されます
筋肥大を起こす要因は
これだけではありませんが、
この経路が抑制されることは、
筋力トレーニングによる筋肥大に
大きな影響を与えると言われています
2012年に発表された研究では具体的に、
「週に2日以上、
1日30分以上の持久性トレーニング
を含めたコンカレントトレーニングは、
筋力トレーニングのみを実施した場合よりも
筋力向上や筋肥大が減弱された」
と結論付けています
ですが、
コンカレントトレーニングの有効性については、
現在もまだ議論されています
要は
前述したとおり、
持久性トレーニングの頻度や時間によって
筋力トレーニングによる筋肥大にどれだけ影響するか
変わってくるということですね
筋力と持久力と
両方高めたい方は、
トレーナーと
「筋力と持久力をどのように強化していくか」
トレーニング計画を入念に検討する必要がありますね