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【ブログ更新】50歳からスポーツを始める方のためのトレーニングの仕方(実践編)

ブログ筋トレ

50歳から始めるトレーニングの進め方

前回のブログでは、「50歳からスポーツを始める方のためのトレーニングの仕方(基礎編)」というテーマで、加齢による身体や体力の変化について解説しました。
今回のブログでは、実践編として、実際のトレーニングの流れを解説していきます。

50歳を過ぎると、体力や筋力、柔軟性、バランス能力が徐々に衰えてくることを実感する方が多いのではないでしょうか。
しかし、ご自身の現状に合わせて適切なトレーニングを行えば、年齢を重ねても思いきりスポーツ活動を楽しむことができます。

まず最初に「柔軟性」と「筋力」のテスト方法をご紹介します。
50歳以上の方々がトレーニングを始める際には、まず現状を知ることが大切です。
もしも問題点が見つかれば、それを改善するためのトレーニングを進めていくことが大切です。

そしてその次に、スポーツする方のトレーニングの進め方を実際にご紹介していきます。

柔軟性テストの方法

柔軟性テストが必要な理由

柔軟性は、関節の可動域の広さや筋肉の柔軟性を示す指標です。
柔軟性が低下すると、スポーツはもとより日常動作(例えば靴を履く、物を拾う)が難しくなったり、ケガのリスクが高まったりします。
特に50歳以上では、筋肉や関節の硬化が進む傾向があるため、柔軟性を維持・向上させることは健康的な生活の鍵となります。

柔軟性のテストを行うことで、自分の現在の状態を把握し、トレーニングの目標を設定できます。また、定期的にテストを行うことが大切です。

1. 立位体前屈テスト

立位体前屈テストは、背中やハムストリング(太ももの裏)の柔軟性を測定する一般的な方法です。また、前屈時に重心が後方へ移動するかどうか、体の使い方もチェックできます。

手順:
1. 両足を揃えて立ち、両膝を伸ばします。
2. 両手を揃えて、指先で床を触れるようにゆっくりと前屈をしていきます。このとき、膝を曲げないように注意してください。
3. 指先が床に触れるまで前屈していきます。

評価の目安:
- 無理せず指先が床に着く:良好
- 指先が床に着かない、指先が床に着くが強い努力感を伴う:改善が必要

2. 肩の柔軟性テスト

肩の柔軟性は、脊柱を回旋させる可動域とも関係するため、上半身全体の柔軟性が反映されます。このテストでは、肩関節の可動域を測定します。

準備するもの:
- メジャーまたは定規

手順:
1. 両足を揃えて立ちます。
2. 両手で軽く拳をつくります。右手を頭の後ろから背中側へ回して、左手を腰の後ろから背中側へ回します。そして、右手と左手も拳を近づけるようにします。
3. 両手の拳の距離を測定しましょう(3回行い、最小値を採用)。
4.反対側も同様に行いましょう。

評価の目安:
- 両手の距離が手の平の長さ程度:良好
- 手の平の長さの1.5倍以上:改善が必要

50歳からスポーツを始める人が最初に行うべき筋力テストの方法

なぜ筋力テストが必要なのか?

スポーツ活動は日常生活の動作よりも大きな筋力を必要とします。例えば、歩く時に膝に掛かる負荷は体重の2~3倍なのに対して、走る時に掛かる負荷は体重の5~7倍になります。
スポーツを始める前に、十分な筋力が備わっていないと、すぐにケガをしてしまい、スポーツを長く楽しむ事が出来ません。
スポーツ活動を始める前には、必ず現在の筋力レベルをチェックしましょう。

今回は、50歳からスポーツを始める人に最初に行ってほしい「筋力テスト」の方法をご紹介します。
このテストを行うことで、自分の筋力レベルを理解し、ケガのリスクを最小限に抑えてスポーツをスタートするための基礎をつくることができます。
初心者でも簡単にできるテストですので、ぜひ試してみてください!

筋力テストを行うメリット

筋力テストを行うことは、以下のようなメリットがあります:
- 自分の長所と短所を把握:どの部位の筋力が強いか、または弱いかを知ることで、適切なトレーニングを選べます。
- 安全な運動強度の設定:自分の筋力レベルに合った運動強度を設定し、無理なく続けることができます。
- ケガの予防:弱い筋肉を強化することで、スポーツ中のケガを防ぎます。
- モチベーションの向上:定期的にテストを行うことで、筋力の向上が実感でき、モチベーション維持につながります。

それでは、具体的な筋力テストの方法を見ていきましょう!

1. 片脚スクワットテスト(下半身の筋力チェック)

下半身の筋力は、走る、跳ぶ、歩くといった多くのスポーツの基本です。このテストでは、大腿四頭筋やハムストリングス、臀筋の強さを確認します。

方法:
1. 高さ40㎝の台を用意しましょう。
2. 台に座り、両足を揃えます。つま先の真上に膝の位置がくるように、足の着く位置を調節してください。
3. 両手を胸の前で交差して、左足を床から浮かせます(浮かせた足が右足よりもやや前になるようにしてください)。
4. 背すじを真っすぐにして、上半身を前傾させます。
5. 右脚全体にゆっくりと体重を掛けて、右脚だけで立ち上がります。立ち上がって左足を浮かせたまま3秒間静止できれば、テストはクリアです。
6.左脚も同様に行いましょう。


注意:
ーテストをする前に、準備運動として、両脚での立ち上がり(スクワット)を10回行いましょう。
ー膝や腰に痛みがある場合は、無理せず中断してください。
ーバランスに注意して、転倒しないように気を付けてください。

2. プランクテスト(体幹の筋力チェック)

体幹の筋力は、姿勢の維持やバランス感覚に重要で、どんなスポーツでも欠かせません。フォーム(姿勢)に十分に注意して行ってください。

方法:
1. うつ伏せになり、肘を肩の真下に着きます。
2. 腹部と腰部をゆっくりと床から浮かせて、つま先と肘で体を支えて、背中をまっすぐに保ちます(以下の「姿勢のポイント」参照)。
3. この姿勢をできるだけ長くキープし、時間を計測しましょう。
4. 姿勢が少しでも崩れたら、無理をせず中断ししてください。

評価基準(目安):
- 60秒以上:優れた体幹筋力。
- 30〜59秒:標準的な筋力。
- 29秒以下:改善が必要。

姿勢のポイント:
‐次の3点を結んだラインが床と水平になるように姿勢を保ちましょう。①後頭部 ②胸椎(肩甲骨の間の背骨) ③仙骨(骨盤の後ろ側)また、腰椎(腰)が反りすぎないように注意してください。

注意点:
‐肩や腰に痛みや違和感を感じる時には、無理をせずにすぐに中止してください。

50歳からの筋力トレーニングの始め方

50歳を過ぎてから「筋力トレーニングを始めよう!」と思う方は多いですが、「今から始めても効果があるの?」「何から始めればいいの?」と不安に感じる方も少なくありません。
50歳からでも筋力トレーニングを始めることは、スポーツのパフォ-マンスアップだけでなく、健康維持のためにも大切です。
50歳以上の方に向けた筋力トレーニングの始め方、注意点、そして具体的なプログラムを分かりやすく解説します。

50歳から始める筋力トレーニングのポイント

50歳以上の方が筋力トレーニングを始める際には、以下のポイントを押さえて安全かつ効果的に進めましょう。

1. まず医療機関の受診を
持病のある方や、膝腰に不安がある方は、トレーニングを始める前に内科や整形外科の受診をおすすめします。無理なく運動ができる健康状態か事前に確認することはとても重要です。

2. 無理のないペースで始める
「若い頃のようにはいかない」と感じるかもしれませんが、焦らず余裕を持ったペースで始ましょう。最初は軽い負荷で、週1~2回のトレーニングから始めましょう。筋肉や心肺機能を徐々に慣らしていくことが大切です。

3. 全身をバランスよく鍛える
特定の部位だけを鍛えるのではなく、上半身、下半身、体幹をバランスよくトレーニングすることで、姿勢の改善やケガの予防に繋がります。

4. フォームを重視する
間違ったフォームでのトレーニングはケガの原因になります。最初はトレーナーやインストラクターの指導を受けながら、正しいフォームを習得しましょう。

5. 休息と栄養を大切に
筋肉はトレーニング中ではなく、休息中に成長します。十分な睡眠と、タンパク質を中心とした栄養摂取を心がけましょう。

初心者向け筋力トレーニングメニュー

それでは実際に、50歳以上の方でもジムで簡単に始められる筋力トレーニングメニューの例をご紹介します。
このプログラムは全身をバランスよく鍛えることを目的とし、週1~2回、1回60分程度で行います。

トレーニングメニューの概要

頻度:週1〜2回(例:月・木、または水・土、など)
時間:1回あたり約60分(ウォームアップ、筋トレ、クールダウン含む)
目標:
- 基礎的な筋力と持久力の向上
- 正しいフォームの習得
- 日常生活の動作の改善(例:階段の上り下り、荷物を持ち上げる動作など)
使用器具:マシン、ダンベル、自体重(ジムの設備に応じて)
強度:10〜12回を正しいフォームで反復できる重量(ご自身の感覚で、「ややくつい」と感じるレベル)

各セッションの構成

1. ウォームアップ(10分):
- トレッドミルやエアロバイクで軽い有酸素運動 5分(心拍数を軽く上げる程度)
- アクティブストレッチ 5分(トレーニングで使う筋肉を動かすように)

2. メインの筋力トレーニング(30分):
- 上半身から下半身、腹筋など全身バランスよく5種目程度
- 各エクササイズを2〜3セット、10〜12回繰り返す。
- セット間の休息:1~2分。
- 正しいフォームを優先し、可能であればジムのトレーナーにチェックしてもらう。

3. 有酸素性運動(10分):
- トレッドミルやエアロバイクで有酸素性運動 (息が弾む程度まで心拍数を上げて行う)

4. クールダウンとストレッチ(5〜10分):
- 静的ストレッチ(トレーニングで使った筋肉を中心に)
- 水分と栄養補給を忘れずにしましょう。

いかがでしょうか。
「50歳からスポーツを始める方のためのトレーニングの仕方」を2回にわたって解説してきました。
まずは「50歳過ぎると若いころと身体が違う」ことを理解して、ご自身の体力の現状をしることから始めてみましょう。

また、後半に「初心者向けのトレーニングメニュー」の例をご紹介しましたが、パーソナルトレーニングではより一人ひとりの体力に合わせたプログラムを提供できます。
ぜひパーソナルトレーニングを一度お試しください!