現在地:HOME ≫ NEWS&TOPICS
【Instagram更新】腹筋と背筋の理想のバランスは?
腹筋と背筋の理想のバランスは?
「腹筋と背筋を
バランスよく鍛えましょう」
などど
聞いたことはありませんか?
「バランスよく」
って言われても・・・
ですよね。
バランス良くと言うのは、
「腹筋と背筋の筋力が5:5」
ということなのでしょうか?
姿勢と腹筋背筋
立っている姿勢では
腹筋よりも背筋(脊柱起立筋)
の方が強く働いている(活動優位)
人が比較的多いようです。
ですが、骨盤の前傾角度の個人差
など姿勢の違いによって、
腹筋が強く働いている人もいる
ることが確認されています。
そして、腹筋が強く働いている
姿勢の人は、
そうでない人と比べて
背筋の筋力が弱い傾向にあり、
腹筋の筋力の比率の方が
背筋より高い傾向にある
ことも報告されています。
(※下記注)
(注)腹筋が強く働いている姿勢の人→腹筋と背筋の筋力比(腹筋:背筋=1.4:1) 、そうでない人→(1.1:1)(※1)
腰痛と腹筋背筋
腹筋と背筋の筋力低下は
腰痛の原因の一つだと
昔から考えられています。
1990年青木らは、
腰痛患者の腹筋筋力は
正常値と変わりなかったが、
背筋筋力は低下を認めた
と報告しています。
しかし、
青木らは同じ報告の中で、
「腰痛患者の背筋筋力低下が
腰痛発生の原因になるのか、
また腰痛があるために
背筋の活動性が低下して
廃用性の筋力低下を
起こしているのか」
について結論づけていません。
また腰痛患者の
腹筋、背筋筋力の比率は
正常値と優位差が
認められるほどではないが、
腰痛患者の方が
腹筋の筋力比が高い
傾向にあることを報告しています。
(※下記注)
(注)腹筋と背筋の筋力比の正常値→ (腹筋:背筋=男性2〜2.25:5、女性1.25〜1.6:5)、腰痛患者→男性3〜3.25:5、女性2.5〜2.6:5)(※2)
理想の比率はあるのか?
上の二つの研究を見ると、
一点不思議に感じる事が
あると思います。
最初の研究と
後の研究とで、
筋力比が全然違いますね。
これは主に
測定方法の違い
によるものです。
大まかに言うと、
最初の研究では
寝た姿勢で測定している
のに対して、
後の研究では
座った姿勢で測定しています。
つまり、
姿勢によって腹筋も背筋も
出せる筋力が大きく変わってくる
と言う事ですね。
ですので、
「理想の比率」
を捉えようとすることは
現実的に非常に難しく、
個別の筋肉の筋力の比率を
追求することは
実生活に沿わないでしょう。
姿勢のコントロールや
腰痛予防のために、
「腹筋も背筋も両方強く」
しつつ特に
「背筋の筋力はしっかりつけておく」
ことは大切かも知れませんね。
結論
腹筋と背筋の筋力比や
個別の筋肉の強さを意識するよりも、
「全体の動きの中で
綺麗なフォームを維持できているか」
とか、
「それが一定の回数や秒数できるか」
と言った事の方が現実的で、
トレーニングにおいても大切な部分
ではないでしょうか。
筋力評価をするにしても、
特に腹筋や脊柱起立筋のように
姿勢に関わる筋肉のような場合は、
個別の筋力測定ではなく、
動作を評価するようなテストの方が
よっぽど意味があるのかと思います。
参考文献
- 桑原ら.安静立位時の体幹筋活動と体幹筋力の関連.第45回日本理学療法学術大会 抄録集.2010, Vol.37 Suppl, No.2.
- 青木ら.腹筋・背筋筋力(第二報).理学療法学.1990,第17巻第2号,107〜111.
こちらの記事はInstagramでも公開しています
FLAT ONEの公式Instagramでは、今日の記事の他にも、トレーニングや健康に役立つ情報を公開しています。
ぜひInstagramもチェックしてくださいね。
FLAT ONE公式Instagram