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【ブログ更新】心拍数を測定しないLTトレーニングの新提案

持久力を向上させるためのトレーニング方法の一つに
「LTトレーニング」があります。

マラソンやトライアスロンなど
持久系スポーツのトレーニングをしている方なら
一度は聞いた事があるかも知れません。

「LT(乳酸性作業閾値)」は
全身持久力の指標となる「最大酸素摂取量」の
約65%~80%と言われており、
競技種目やトレーニング経験などによって
かなり個人差があります。

近年、
スマートウォッチなどの普及により、
「LT」に相応するターゲット心拍数を計算で求めて、
そのターゲットゾーンで
「LTトレーニング」を行う方も増えている
のではないでしょうか。

ですが、
「LT」が「最大酸素摂取量の何%に相当するか」は
個人差がとても大きいため、
計算で求めたターゲットゾーンが
ご自身の「LT」と等しいかどうかは、
とても曖昧な数値だと、私は思います。

今日は、
心拍数を測るよりもっと簡易で、
個人の能力に合わせた「LTトレーニング」の方法を
ご紹介します。


20年ほど前、
まだスマートウォッチなどがなく、
心拍モニターが容易に手に入らなかった頃、
「LTトレーニングをもっと簡易な方法でできないか」と
私自身が試行錯誤していました。

その中で、
ランニングの走速度を変えて何度か走り、
ランニング直後に血中乳酸濃度を実際に測定し、
走速度毎の血中乳酸濃度の数値を
グラフにプロットしました。

当然ながら、
ある一定の速度付近で乳酸値が上昇してくるポイントを
確認する事が出来ました。
(このポイントがLTです。)

そして一つの事に気付きました。

それは、
LTの速度を超えると、
「鼻呼吸」から「口呼吸」に変わる
という事です。


普段からランニングをしている方なら
経験があると思います。

ランニング速度がゆっくりな時は
「鼻で呼吸」していると思いますが、
ランニング速度が上がってくると
次第に息苦しくなってきて
自然と「口を開けて呼吸」しますよね。

これは、
運動生理に詳しい方ならお気づきかと思いますが、
「VT=換気性作業閾値(換気閾値)」
相当するのではないかと思います。

「VT」は「LT」と同じように、
エネルギー代謝が「有酸素性」優位から
「無酸素性」優位に切り替わる
「AT(嫌気性代謝閾値)」です。

そして、
「VT」と「LT」の運動強度は
ほぼ等しいと言われています。

ですのでランニング速度が上がり、
「鼻呼吸」から「口呼吸」に変わる時点の速度を
「VT」と推測して考えれば、
その速度でランニングすることが
「LTトレーニング」になり得ると考えられます。

ランニング・トレーニングを継続していると、
同じ心拍数でのランニング速度は上がっていきます。
(同じ速度での心拍数は下がります。)

一方、トレーニングを積んだ
エリートランナーは、
LTレベルのランニング速度が速いのと同時に、
LTレベルの心拍数も高い傾向が見られます

つまり、
トレーニングを積んで持久力が上がってくると、
LTレベルの走速度も心拍数も高くなってくる可能性があります。

言い換えれば、
速い速度で走って心拍数が上がってきても、
乳酸が溜まりにくい状態を保てると言うことです。

このように考えると、
計算で「LT」レベルのターゲット心拍数を求めて、
ターゲット心拍数でのトレーニングを続けていった場合、
同じ速度でのランニング速度が上がっていく一方で、
LTレベルの心拍数を過小評価してしまう
可能性があります。

スマートウォッチなどの普及で、
運動中の心拍数を簡単に測る事ができたり、
リアルタイムで確認できるようになり
とても便利になりました。

ですが、
心拍数は様々な要因で変化しやすい数値です。

トレーニングに活用する時には、
「運動と心拍応答」について
正しい理解したうえで
うまく活用していきたいですね。

「LTトレーニング」
を実施したいと思っている方には、
心拍数を活用したトレーニングよりも、

「鼻で呼吸できるペース」
でのトレーニングを進めていった方が、
ご自身の体力レベルに応じた「LT」強度での
トレーニングが可能ではないでしょうか。


なお、
「鼻で呼吸できるペース」での「LTトレーニング」は
ランニングの他、
バイク(自転車)でも活用できると思います。

ですが、
スイミングの場合は、
心拍応答が陸上での運動と異なるため、
少し違った方法が必要かもしれません。

マラソンやトライアスロンのトレーニングに
励んでいる方は、
ぜひご参考になさってください。

この記事の内容は、私個人で自己研究した結果に基づいています。複数の被験者を対象に行った研究報告とは異なり、事例報告となります事を、予めご了承ください。